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第6回更級日記千年紀文学賞の受賞作について

2026/08/26

一般の部

 

令和8年7月15日(水)都市センターホテル(東京都千代田区)において、選考会議を開催しました。

【選考委員】(敬称略)

委員長 椎名 誠(作家)

委員  加賀美 幸子(エッセイスト【元NHKアナウンサー】)、

    岸本(下尾) 静江(作家・市内在住)、

    松家 仁之(作家)

 

受賞作品は以下のとおりです。

 

 

<小説>(敬称略)

題名 ペンネーム 住所
大賞 二匹のやどかり 野村のむら 知子ともこ 千葉県
優秀賞 月のない夜だからこそ 水上みなかみ 夏貴なつき 宮崎県宮崎市
ドライブの夜 北原きたはら がく 愛知県名古屋市
選考委員特別賞 親子漫才 礒部いそべ 輝昭てるあき 東京都世田谷区

 

<エッセイ>(敬称略)

題名 ペンネーム 住所
大賞 いつだって 諸行無常 松野まつの 保子やすこ 福岡県太宰府市
優秀賞 ラストオーダースーツ さとう けいこ 神奈川県相模原市
ようこそ 恐竜ランドへ 野中のなか 草子そうこ 神奈川県足柄下郡
箱根町
選考委員特別賞 海士あま有木ありきの汽笛 小林こばやし さく 千葉県千葉市

 

 

椎名 誠 氏コメント

 

 更級日記千年紀文学賞も六回目を迎え、小説の部、エッセイの部どちらも全国広範囲からの応募となり、毎年、その応募層も広がり全世代へと拡大している。

 今回の小説の部の受賞作『二匹のやどかり』は千葉県に住む女性の作品で、現代の田園地帯につつましく暮らす嫁の目から見たそれなりに問題を抱えた農家の日々を描いた静かに怖い作品である。夫のもとに子供とともに暮らすことになった主婦の目から見た現代の農村の、ありふれているのだろう生活への視点が不思議なサスペンスに満ちて魅力的にかたられていく。田園ハードボイルドとでもいうような乾いた文章が魅力的で、読むものをいつのまにかぐいぐいひきこんでいく。さしたる事件もないのにその筆力はたいしたものである。

 エッセイ部門もなかなか達者な作品が集まった。受賞作品『いつだって 諸行無常』はタイトルからしてすでにこの人のかろやかなセンスを感じるぎらぎら渋い黄金色の傑作である。

 

 

小中学生の部(短歌)

 

令和8年7月3日(金)市原市立中央図書館において、選考会議を開催しました。

【選考委員】(敬称略)

市原歌人会 池田 晴子、市川 一子、鈴木 房子、高橋 季公子、田中 聖子、

      萩原 弘子、逸見 悦子、牧野 春枝、村上 久江、湯浅 雅章

 

受賞作品は以下のとおりです。

 

<小学生>(敬称略)

短歌作品(下段は 氏名、学校所在地、学校名・学年(応募当時))
大賞 伝えたい気持ちがのどで引きかえす小さな声が心でひびく
藤城ふじしろ 琴羽ことは  千葉県市原市  市原市立千種小学校5年
優秀賞 せせらぎの声を頼りに分け入れば木漏れ日踊る森の昼下がり
佐久間さくま 湊斗みなと  千葉県市原市  市原市立千種小学校4年
おかえりの元気な声に反のうし今日あったこと話したくなる
吉田よしだ 綾音あやね  千葉県市原市  市原市立若宮小学校4年
佳作 静かな夜通路にひびく足音と小さな声を月が聞いてる
中嶋なかじま 杏美あずみ  千葉県市原市  市原市立千種小学校5年
大好きな自転車こぐくだり坂足を広げてヤッホー叫ぶ
阿部あべ 佳奈かな  千葉県市原市  市原市立水の江小学校4年
ガザの子がたべものもとめみぎひだりなき声きいてはやくおわれ
サタール アシャル 千葉県市原市  市原市立白金小学校4年

 

<中学生>(敬称略)

短歌作品(下段は 氏名、学校所在地、学校名・学年(応募当時))
大賞 君が呼ぶわたしの名前が響いているサクラが咲いたふゆなのに
宍倉ししくら 愛梨あいり  千葉県市原市  市原市立五井中学校2年
優秀賞 好きな声何度聞いても飽きなくて再生ボタンもう一度押す
河田かわた 夏希なつき  大阪府大阪市  大阪教育大学附属平野中学校2年
瀬戸内の海の荒れる日潮騒に混じるオキゴンドウの鳴き声
横道よこみち ひかる 山口県光市 山口大学教育学部附属光義務教育学校9年
佳作 本番の静まる空気切りひらく最初の声に願いをこめて
遠藤えんどう 優香ゆうか  岐阜県加茂郡川辺町  川辺町立川辺中学校1年
はちまきを高くふりあげ声そろえグランドじゅう声がはねてた
清水しみず 悠莉乃ゆりの  千葉県市原市  市原市立姉崎東中学校1年
記録には残らないあの歌声も残しておこう僕らの記憶に
杉山すぎやま いろは  北海道札幌市中央区 札幌市立伏見中学校3年

 

市原歌人会 会長 市川 一子 氏コメント

 

 更級日記千年紀文学賞は6回目となりましたが短歌部門のテーマは「声」でした。

 応募数は小学生1986首、中学生549首。小中学生ともに学校単位での応募の多い中、今年も市原市のホームページや図書館のチラシからの応募もあり、海外からの応募も増え短歌への関心が若い世代にも広まっていることを嬉しく思いました。

 今回の「声」という目には見えないテーマですが実際、耳に届く声の他、広い想像力での作品が多くみられました。例えば自身の心の声を詠んだ作品や自然の移ろいを声として捉えた表現力にも注目しました。少ない社会詠の中で小学生のガザの子を思う心からの声にもはっと致しました。テーマの「声」は入ってないが、それをイメージした作品も対象となりました。選歌は十人の選考委員に依って一次から三次まで、基本を踏まえ、自身に引き付けて表現されていて読み手にその感動が伝わってくる作品を絞り込み、最終選考では魅力的な作品を選歌することができました。

 

 

授賞式

日 時 令和8年11月8日(日) 午後1時30分から

会 場 いちはら子ども未来館 (weほーる)

出席者 椎名 誠 選考委員長、市原歌人会、市長、教育長